御社が『OIカウンシル』をご利用されるきっかけは何だったのでしょうか?
実は、富士通の米国にある研究拠点から、「外部知見」としてナインシグマを活用することの推薦がありました。そこでOIカウンシルの利用も試してみたのがきっかけです。
御社が「外部知見」を必要とした背景を教えてください。
私たちは「これからの富士通のビジネスを支える技術シーズ」を掘り起こすため、自社技術にこだわらず広く社内外の技術情報をリサーチし、事業化の検討をしています。その際、3C(Customer 顧客・Company自社・Competitor競合)を調査して分析しますが、「事業化の見極め」について特に重視しているのが「Customer(顧客)」です。お客様のニーズや課題に対し、自分たちの考えるシーズがマッチしているのかどうか?という仮説を、既存のお客様にヒアリングすることはできますが、自分たちのネットワーク外にある方にご意見をいただき、ニーズの確からしさを確認する方法については長らく課題感がありました。
「顧客ニーズの見極め」に『OIカウンシル』を活用されているのですね。
はい、「技術やサービスのすべての受け手はお客様」という視点は、富士通の社内に共通しています。そのため、事業化はもちろんのこと、プロジェクト中止の判断についても、顧客ニーズの見極めが不可欠です。
社内では、事業開発プロセスのスピードアップへの意識も強く、基本的には、1ヶ月程度の短いスパンで多くの技術を検討・評価し、可能性を広く模索していくというスタンスです。「顧客ニーズ」の把握とその見極めは、スピード感ある社内稟議や提案の根拠となっています。
『OIカウンシル』には技術に精通した世界中の業界エキスパート約2万人が参加しています。特にメリットとして感じていることはどんなことでしょうか?
自分たちの持っていない顧客接点が得られることが非常に有用ですね。既存のお客様にニーズを確認して「わからない」「必要ない」と言われてしまうと、そこでプロジェクトが終わってしまうこともあります。一方、OIカウンシルを使うと、まずはナインシグマの担当コンサルタントの方と当該技術についてじっくりとディスカッションし、技術そのものの説明や提示方法も改めて検討できます。「その技術をどう使っていけるか?」という考え方で新しいニーズと新しい顧客像にたどり着き、OIカウンシルを使った調査でその裏付けができれば、プロジェクトの存続ができるわけです。実際、ある自社コンピューティング技術の事業化プロジェクトは、ナインシグマとの調査により得られた顧客ニーズに関する情報をエビデンスとして、中期計画に採用されました。
御社は徹底した「お客様視点」で着実に技術の事業化を進めていらっしゃいますが、特に最近感じられている変化はありますか?
「外部の情報が重要だ」という実感は、社内にもますます広がってきています。「自分たちからも積極的に外の情報を取りにいかないといけないね」という意識の変化も顕著です。
コロナ禍のワークスタイルの変化で、「オンラインでいつでもどこでも繋がれる」という経験をしたことも、外部知見、特にグローバルの情報にアクセスするハードルを下げたと思います。日本以外の海外の事情についても、もっと知っていく必要があります。
これからのナインシグマや『OI カウンシル』への期待を教えてください。
先進技術を取り扱う富士通として、グローバルレベルで市場を牽引してくような研究シーズを数多く出していきたいと考えています。そのためには、海外も含めて「ユーザーがどう思っているのか?」を把握し、「お客様が潜在的に持っている将来の課題をより俯瞰して分析していく」ことがこれまで以上に重要になると考えています。OIカウンシルを活用して、世界中の有識者や潜在的な顧客となる方々の生の声と、コンサルタントの方々の分析情報とを合わせてご提案いただき、私たちのプロジェクトに伴走していただくことを期待しています。