御社には2023年1月の経営統合以前より、各社にてナインシグマのサービス「OIカウンシル」をご利用いただいています。皆様から見たOIカウンシルの「使いどころ」はどこにあるのでしょうか?
松田さん:既存技術の用途展開で度々利用していますね。マーケティングや営業部門が、自分たちで新用途や顧客開拓について検討し尽くしたうえで、「OIカウンシルを使ってみよう」という運びになるケースが多いです。例えば、昨年、OIカウンシルでパッケージング技術の用途展開についてアイデアを募る調査を行いましたが、実際に得られたアイデアの中から現在進行しているプロジェクトもあります。
社内で「OIカウンシル」のご利用をどのように広めていらっしゃいますか?
松田さん:社外技術の調査ツールなど有償・無償で使える外部知見サービスは、OIカウンシルも含めリストにして、社内のイントラネットに公表しています。私たちの部署を介さなくても、現場で必要な誰もが気軽にアクセスできるよう工夫しています。
冨田さん:(昭和電工と旧・日立化成との)経営統合プロセスが始まって以降、互いのOI体制や制度を知り、オープンイノベーション推進が全社的により身近になりました。「こういった技術を持っているところはないかな」と、これまでは自分たちで検索していたような「ちょっとしたこと」も、オープンイノベーション推進の仕組みに頼れる、活用できるという気づきがあったことは大きいですね。現場で技術者がウェブ検索やデータベース検索をするのも時間がかかりますし、何よりキーワードの選び方など特定の視点からでは限界がありますから。
松田さん:私たちはライフサイエンスから電子材料まで幅広い分野を扱っていますが、ナインシグマにはどの分野の技術にも明るいコンサルタントがいて、現場から外部知見の利用について問い合わせがある場合も「とりあえずナインシグマに相談してみよう」とつなぎやすいですね。そのうえで意識していることは、「OIカウンシルは使えば必ず欲しい答えが出てくるような魔法の杖ではない」ということを現場の担当者にも認識してもらうようにすることです。うまくいったケース・うまくいかなったケースともに過去の事例も共有したうえで利用してもらいます。外部知見を取り入れて、「やってみたら自分たちだけでは得られないいいアイデアが見つかった」という経験が現場で積み重なっていくことが、ツールの利用を進め、オープンイノベーションが広がっていくために大切なプロセスだと思っています。
外部知見の収集には他社サービスも含めご利用されているようですが、「OIカウンシル」のユニークさはどういうところにありますか?
松田さん:OIカウンシルのエキスパートは専門領域が幅広く、扱う技術課題によってフレキシブルに調査対象を選べるところがよいですね。グローバルに多様な知見を持った方々から広くアイデアを集めることができます。また、調査設計・質問作成をサポートいただくコンサルタントがあらゆる技術領域に詳しく、現場のニーズにも理解がありますので、非常に相談しやすいと感じています。
貴社には、より簡単に世界中のエキスパートに質問し3日間で回答が得られるOIカウンシルの新サービス「OIC direct(オーアイシー・ダイレクト)」を初めてご利用いただいたばかりです。率直なご感想をお聞かせください。
松田さん:特定の課題を深掘りする質問がよいか、広範な質問をしてアイデアを募るのがよいか、まずはOIC directの使い方を検討しましたね。そのうえで今回は、新規事業開発のきっかけとなるアイデアを得るという目的で、後者の使い方を試してみることにしました。質問作成にはナインシグマのコンサルタントからのアドバイスも得られ、結果、3日間という短期間で23件もの回答が集まり、様々なアイデアをいただきました。私たちにとって守備範囲外としていた視点からの意見をもらえたことは特によかったです。予想外のアイデアについても、自社技術を絡める方法や可能性を探ってみたいと思いました。今後、OIカウンシルやその他ツールの活用・外部パートナーとの連携も深めながらオープンイノベーションを推進し、よりスピード感を持って新規事業開発に取り組んでいきます。
「共創型化学会社」として社外とのコラボレーションにますます積極的に取り組まれるとのこと、私たちにもぜひ、貴社がリードする日本発・世界に羽ばたくイノベーションプロジェクトをご支援させてください!本日はありがとうございました。